技術者のプライドと再現性、性善説と大きな代償

サーチマン佐藤です。
こんにちは。

今、いわゆる
STAP細胞の論文ねつ造事件が
世間を賑わしていますね。

信じられない事件ですが、
我々の業界にも「同じ」ことがある・・・

そんな悲しいお便りも頂いたりして。

今日は、お互いに身を引き締める意味で、
一緒に考えてみましょう。

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【再現性】技術者にとって一番大事なこと
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まず、今回の事件、
我々の業界と何が「同じ」かと言うと、

・・・例えば、

我々はシステム開発して、テストして、
お客さんに納品しますよね。

当然、納品前には、
「テスト合格」のテスト仕様書も作成し、
お客さんに提出する。

しかし、イザ動作させると、
「テスト合格」なのに、何故か動かない(再現しない)。

おかしいと思って、よくよく確認してみると、
テスト仕様書はコピペで作られているし、
テスト自体も思い込みでOKが入っている(ように見える)。

で、テスト担当者に問いただしてみると、

「STAP細胞はあります」
(テスト仕様書は書きました)

と泣きながら答える。

おいおい(苦笑)。

まあ、もしかして本当に
「見た」という事実があったかもしれないけど、

それは、キャッシュか何かが残っていて
(ES細胞が残っていて)

再現性がないのに
(テストとしてはNGなのに)、

テストがOKと思い込み、
書類だけ作る。

そっくりでしょ。

他人事じゃないよ(笑)

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※ちなみに、
システムのキャッシュをクリアして
テストすることはテストの初歩ですからね。

新人のみなさん覚えておきましょう。
(意味不明の人は、先輩に聞いてね)
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で、今回の事件では、

「理研の残っているデータを確認すべき」
「小保方さん可哀想」
「研究は、そもそも性善説でいいのか?」

という議論もあるようですが、
残っているデータを確認しても意味がない。

データ自体の作成過程が不明だし、
最悪ねつ造かもしれない。

じゃあ、何が大事かと言うと、
我々技術の世界と同じで、
(科学の世界も)

「再現させること」

これ一点に尽きます。

この一点のみ、
小保方さんが挽回の可能性がある。

なのに、彼女が(意図的に?)
「悪意があったかどうか」と論点を切り替えているのは、
弁護士の入れ知恵なのか、
本当は自信がないのか、そもそも嘘なのか、

そこはよくわかりませんが、
そういう戦略で、そういう論点にするなら、
訴訟になったら理研に勝てるかもしれない。

まあ、余談はいいでしょう。

この事件を通して、
我々技術者が再認識すべきこと。

それは
「再現性」。

厳しい言い方ですが、
技術者だったら、

「一生懸命やりました」
「悪意はありません」

なんて言い訳は通りません。

全部更にして、全部ゼロにして、
アナタの手の中で再現できるかどうか?

そもそもシステム作りは、
仕様書通りに「再現」させることですからね。

そこに我々のプライドがあるわけだし、
再現させてこそ技術者です。

まずは、この基本を思い出し、
お互い肝に銘じましょうね。

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【性善説】大きな代償
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で、次なのですが、
技術者(科学者)は性善説でいいのか?という話です。

まず、読者からの悲しいお便りをお読みください。
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今日も朝からアプリケーションエラーになったと連絡が。

ん?・・・おいおい、それって
テストOKって言っていた部分じゃない・・・

それも、こちらにテスト環境が無いので
我々がテストしますって言ってた部分でしょ。

全くテストしていなかった模様
(涙・・・・もう涙も枯れていますが(^^;)

マネージャは、社内の会議に出す進捗工程表が「命」で、
そこで働く人達は、マネージャに睨まれないようにすることが「命」で、

テストしてもいないのにテストOKとして
工程表がオンスケジュールになっている事を優先していたことが発覚
・・・・

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本当に悲しいでしょ。

確信犯的に「ねつ造」してしまうこと。
それが一番を悪いこと(←ここ重要)
と思ってないこと。

そして、「ねつ造」は将来的には、
大きな代償を払うと知らないこと。

これは、最近の風潮なんですかね?

と言うのは、
私はゴルフが好きなのですが、
数年前、「中西雅樹」というプロゴルファーがいました。
(ご存知の人も多いでしょう)

アマチュア時代の成績は申し分なし。

「石川遼」や「松山」なみに期待されていたのですが、

プロ宣言した年の
日本オープンの予選で、
(ぎりぎり落選だったので)

なんと彼は、
消しゴムでスコアを消して書き直し、
過少申告して提出した。

で、同伴競技者の訴えで、
あっさりバレて、ほぼ永久追放です。

ゴルフ界のSTAP事件ともいえる、
衝撃的な事件でした。

彼は、
「悪意はなかった」
「意図的なスコア改ざんとみなされ、信じられない」
とコメントを残していますが、

どこかで聞いたセリフ。

後年、韓国のプロゴルフに参戦しようとしましたが、
その事件を聞いて、韓国にも断られた。

本当に大きな代償です。
一生を棒にふっています。

ご存知のように、
ゴルフは紳士のスポーツ。

「スポーツなのに、審判がいない」ので、
各ゴルファーは性善説にたってプレーする。

ルールの前にマナーがある。

だから、ゴルフのいい指導者は、
スイングの前に、マナーを徹底的に教え込む。

前述の中西プロは、
いいい指導者に恵まれなかったとも言えるのですが、

その代償は、永久追放。

我々だって同じです。
我々も性善説で仕事しています。

システム開発する時、
各工程、各機能を分担して、
相手を信じてシステムを作り上げていく。

「できた」と嘘を言っても、
どこが不具合なのか、いつかは必ずバレるので、

性善説にならざるを得ない。

それが大前提。

なのに、最近の風潮なのでしょうか。

テストしてないのに、テストOK??

絶対にバレるし、責任追及されるし、
代償として、人間失格の烙印も押される。

性善説の世界ほど、その代償は大きい。

「まずはマナーを身につける」って情けない話ですけど、
ゴルフのいい指導者が、
まずはマナーを徹底的に教えるのと同様、

我々の業界も(理研もか?)
まずはマナーを教える時代かもですね。

お互いに、身を引き締めましょう。

以上、最近のニュースを聞いて、

技術者のプライドと再現性、
性善説と大きな代償

まとめて考えてみました。

ではでは、またお会いしましょう。
ありがとうございました。

●追伸
「性善説の世界ほど、その代償は大きい」
と言いましたが、

性悪説の世界で
「ねつ造」が蔓延している某国では、
その代償は小さいです。

でも、そういう世界は、
社会的なコストが大きくなる。

どっちがいいでしょうか?

●追伸2
このメルマガが、
まさか炎上につながるとは・・・(苦笑)

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