軽減税率でIT業界はウハウハか?

サーチマン佐藤です。
こんにちは。

2017年4月から消費税が10%に上がりますね。

これに伴い、現在、
「軽減税率」の議論が活発になっていますが、
「軽減税率」って、ご存知ですか?

要するに、「軽減税率」とは、
消費税は10%にするけど、
(生活必需品などの)
食料品は税率を安くする制度。

一見、正しく聞こえますよね。

でも、これ、
本当に正しいのでしょうか?

まあ、正しいかどうかはともかく、
そういう制度になりつつあるので、

最近、私は知り合いの
(特に食料品を扱う)
社長さんから、
こんな声をかけられました。

「佐藤さんの業界、儲かりますね」と。

意味わかりますよね。

そう。

税率が変わるだけでも、
システム変更がありますが、

軽減税率が適用されると、
インボイスという新制度が同時に導入され、

これがまた、けっこう複雑で・・・・
(まあ、インボイスの説明は省略しますが)

とにもかくにも、
今までの経理システムを、
大きく作り変えないといけない。

当然、IT業界への
システム変更の仕事が、殺到する。

だから、儲かる。

私も、社長さんから、
「それに備えて、会社を紹介してくれ」と言われるので、
もしかしたら、

濡れ手に粟で、
儲かるかもしれない、なんて(笑)。

でもね、でもでも、
これだけは強調したい。

確かに、国の制度が決まったら、
それに従わなくちゃいけないけど、

自分が儲かるからと言って、
その制度に無批判になってはいけない。

特に、儲かる側にいる我々でしょ。

「その制度は、本当に国のためになるのか?」
と考えるべき。

日本国民としてね。

で、よーく考えてみると、

そもそも、
「食料品は生活必需品だから、
税率は安くすべき」って言うけど、

これって、
不公平と混乱の温床なのでは?

だって、
食料品と言っても、
色んな所で売られているでしょ。

今の軽減税率が適用されたら・・・・

高級スーパーの
高級食材の税率が安くて、

安い大衆居酒屋で飲食する時の
税率が高くなる。

おかしくないですか?

同じハンバーガーなのに、
ハンバーガーショップで食べれば、
税率が高くて、
家や公園で食べれば、税率が安い。

おかしくないですか?

同じハンバーガーですよ。

外で食べると安くなるなら、
みんな、そのへんの路上で食べるんでしょうか?
(ヨーロッパでは、そうなっていますが)

これ、公衆衛生上もよくないでしょ。

刺身なら税率が安いけど、
刺身の盛り合わせにしたら、
税率が高いとか。

こんなおかしな話が、
山のように出てくる。

だからね、ポピュリズムよろしく、
総論で、
「食料品」の税率は安くするって、
聞こえはいいけど、

各論になると、
線引きがすごく難しくて、
不公平感がある。

で、そんなややこしい制度いれても、
安くなるのって、
1人年間5000円くらいですよ。

だったら、
そんなややこしい事やめて、
5000円配ったほうが、スッキリするのでは?

今のままでは、誰もが、
屁理屈をつけて、軽減税率を望むようになる。

その象徴が、
昨日の読売新聞の2面に出てましたね。

新聞と書籍は
「知の食べ物」と言い放ち、
だから、新聞の税率は安くすべきと。

へっ??

吹き出しそうになりましたよ(苦笑)

新聞って、食べ物だったのですか??

要するに、新聞協会も、
自分のところだけ軽減税率を適用して欲しくて、
「活字は食べ物」とか言い出している。

ギャグでしょ(笑)。

だったら、
サーチマンも活字を書いてますが、
これも軽減税率の対象になるのでしょうか?

なるわけないですよね。
ね、混乱するし、不公平でしょ。

しかし、この制度は適用されつつある。
結果、IT業界の仕事は、
どっと増える。

儲かるかもしれない。

でも、本当にいいのか?

結果、
その仕事に従事するかもしれないけど、
我々は、その前提を疑い、
考える必要があるのではないでしょうか。

ではでは。
またお会いしましょう。

ありがとうございました。