中途採用は二通り。IT業界で真逆の採用方針を掲げる。

サーチマン佐藤です。
こんにちは。

最近、色んな会社の色んな
「教育方針」が私の耳に入ってくるのですが、
今日は、

「中途採用」

について、少し話してみますね。

ふつう、「中途採用」と言うと、
経験者優先ですよね。

例えば、転職サイト見ると、
こんな文言を頻繁に目にします。

———————–
募集要件:
「WEB系アプリケーション開発経験
3年以上お持ちの方」
———————–

3年以上の経験・・・

まあ、会社としては、
知識や経験がある人を、
(効率よく)採用したいし、

論理的に考えれば、
当たり前の採用方針ですよね。

でもね、
「それ、違うんじゃない?」
という社長(会社)が結構いる。

何故なら、その社長たちは、
(知識や経験以外の)
もっと大きな要素が、そこにあると
考えている(思い込んでいる?)から。

その要素は何か?

例えばね、こんなお便り頂いています。

————————————-
東京営業所時代にお付き合いしていた
ユニークな中途採用する会社がありました。

その会社は、新卒者は採用しておらず、
中途採用オンリー。

しかも、中途採用のターゲットは、
IT業界以外の他業種。

技術は後から教えれば、
何とでもなるという発想です。

それよりも、一般常識や責任感・やる気、
モノの見方・考え方、コミュニケーション能力といった
社会人としての素養を重視していました。

その会社は、試用期間(3ヶ月程度)に
基礎的な技術を叩き込み、理解度テストを実施し、
全ての試験に合格した者だけを本採用するという方法を
とっていました(試用期間中は時給千円)。

その後は、先輩と抱き合わせで
無償で現場に放り込みOJTで鍛え上げるという
大盤振る舞いのパターンでした。

職務経歴書の職務内容が空白だと、
取引先に提案も出来ませんからね。

実際に、その会社から何人か来て貰いましたが、
全く問題なく仕事してくれてたので、

この方法もアリだと思った次第です。

————————————-

私自身、他業界の出身ですが、
おそらくIT業界ほど、その風土として、
転職しやすい業界はありません。

もちろん、その風土は結構なことですが、
でも、それは反面、

「覚悟のない転職」を産みやすいかも?

ちなみに、
私が昔いた業界を例にとれば、

よっぽど腕に自信があって、
今の仕事や職場にがまんができない、

究極の状況になって、
「背水の陣」で転職していました。

良い悪いは別にして、IT業界は、
そんな「背水の陣」の切迫感がない。

「辞めます」と簡単に言える。

しかし、上記の社長は、
そんな「背水の陣」の切迫感を求めていたのでしょうね。

だから、中途採用は、あえて未経験とし、
「必死に覚えた奴のほうが使えるし、折れない」と。

それはそれで、
一理あるかもですね。

次は、もっと極端な社長。

先日、私が訪問した社長さんの採用条件は、
なんと、「サッカー経験者」であること。

えっ?

意味不明ですけど・・・・

社長自身がサッカー経験者であり、
今もプレーヤーなのですが、

でも、もちろん、その会社は、
会社としてサッカーやっているわけでもないし、
サッカー部すらない。

ふつーのシステム会社ですよ。

じゃあ、何故?

社長は大いに語ります。

「一人で黙々と仕事する効率重視のエンジニアじゃなくて、
チームワークを重視し、お互いの能力をひきだし、
最後にゴールするエンジニアを求める」

「だから、サッカーなんだ!」と。

う~ん、わかったような、
わかんないような(苦笑)。

しかし、そのムチャクチャな採用方針が
花開いてきて、
近年、急速に業績を拡大。

結果、よかったのかもしれません。

もちろん、これからも
「サッカー」重視の採用方針は変わらず、

さらに、「サッカー人脈」で、
お客さんを獲得する(こともある)とか。

サッカー経験者同士、
「相通じるものがある」と。

で、
今後、さらに飛躍するにあたり、
やっぱり、教育ということで、
私が呼ばれたわけです。

ちなみに、社長自ら、
サーチマンのJava法人教育も受講され、

その「わかりやすさ」と「コスパ」を実感。

これまで、某大手の教育コンテンツを使っていたのですが、
高い評価を頂き、無事、成約となりました。

ありがとうございました。

でも、でもですね、社長、
いまさらなんですけどね、

あの時、社長のサッカー論議に圧倒されて
言えなかったのですが、

正直に言うと私、

サッカー未経験ですよ(汗)。

でも、精一杯がんばりますので、
よろしくお願いいたします。

では、最後、
もう一人ご紹介しましょう。

先日、お会いした別の社長さんは、
ご自身が他業界出身の方。

まあ、他業界出身でも、
IT業界の社長になる方、
聞きますよね。

法律や財務の仕事してたとか、
コンサルしてたとか、

わりと知的ワーカーと親和性ありますし。

でもね、その方の前職は、

なんと
「タクシーの運転手」。

これまた、
「へっ?」って感じでしょ(笑)

全然、親和性ないじゃん~。

その社長は、
最初、タクシー会社の
ドライバーを務めるかたわら、

会社から、
「運転手の管理しろ」と命じられ、

夜勤ドライブのあと、
朝からフラフラになって、
事務作業をしていた。

で、そんなフラフラを解消したいため、
自分でシステムを勉強し、覚え、
IT業界に興味をもち、転職。

今では、IT業界の社長になった。

いみじくも、
「背水の陣」を実践した方。

そう。

私自身、
異業種転職でしたが、
思い返せば、「背水の陣」でした。

辛かった~。

当時は、自分が遅れていることに
コンプレックスもあった。

でもね、今になってみると、
色んな業界、色んな会社で経験したことが、
プラスになっている気はする。

まあ、今になればですけどね。
(当時は辛いと、何回も強調したい)

中途採用には、
「業界経験者に限る」という条件が多い。
それは、当然です。

でもね、知識ゼロからがんばっている人もいるし、
真逆の採用方針を掲げる会社もある。

我々は、生き抜かなくちゃいけない。
がんばってくださいね。

ではでは。
またお会いしましょう。

ありがとうございました。

●追伸
逆の転職もありますよね。
「IT業界」から「他業種」への転職。

そんな経験した読者からのお便り、
掲載してみますね。

—————————————-
佐藤様、お疲れ様です。

成約、おめでとうございます。

私は、3年前に(IT業界から)転職して、
いま最も不要となりつつある
「ブライダル企業」にいます。

やっていることは、
まぁ総務や人事の仕事です。

給与はもちろん減りましたし、
サービス業なので、
土日出勤で平日休みになりました。

しかし、自分の時間はいつも確保できますし、
平日休みは、それなりに良いこともあります。

納期に追われて徹夜もないですし、
休日出勤もありません。

だからと言って、
パソコンを使用しないことはないので、
佐藤様のメールを拝見しています。

SE(PM)をしていた頃よりは、
ハードに近いところで調査することが増えましたね。

前は自治体の業務でしたから、
だからマイナンバーなんて理屈はよくわかります。

コミュニケーションが取れる方なら、
別の業種へ転職もいいですよ。

パソコンやプログラムがわかるだけで
重宝されますから。

—————————————-

いかがでしたでしょうか。

「IT業界」から「他業界」への転職も、
大いに結構なこと。

でもね、ここに
一つの運命の分かれ道がある。

それはね、
アナタは否が応でも、
「IT業界」出身者なのです。

まさか転職する時、
経歴を隠すわけにもいきませんよね。
(それこそ、転職できません)

アナタは「IT業界」出身者。
嫌でも、そういう目でみられます。

その時、
知識がなかったらどうなりますか?

IT業界からの転職を考えるのは、
大いに結構。

でもね、
「どうせ転職するから、勉強しても意味ない」
って人がいますけど、

今、しっかり勉強しておくことが、
次の転職先で幸せになれるかどうかの
分かれ道。